肝臓の疲れをとる方法(1)『生活習慣』


先に挙げた「食」「睡眠」「運動」に関して肝臓が疲れる原因をひとつずつ取り除いたのが、理想の生活習慣となるわけです。


1)食に関して

腹八分目を心がける」「洋食よりも和食系を多く摂る」「寝る直前に物を食べない」。よく耳にするアドバイスだと思いますが、やはりこれが基本であり大切なことなのです。

これらはよくダイエット時に話題になりますが、整体から見た場合には、いかに内臓、特に肝臓に負担をかけないかの視点で非常に重要になります。毎日これと逆のことをしていては、肝臓に負担をかけ続け、疲れを積み上げていくことで、徐々に神経ネットワーク、あるいは血流の滞りを通 じて、からだ全体のバランスが崩れてしまいます。

また、食品添加物を多く含まない食品をなるべく選ぶことも大切です。肝臓の仕事(分解・解毒作業)が増える可能性があるからです。

分解・解毒作業という面からは、サプリメントやお薬を飲み過ぎるのも控えたほうがよろしいでしょう。あれもこれも「体によさそうだから」と思って買っているうちに、相当な数や種類を日常的に飲む習慣になっている方が多いのではないでしょうか?

とりあえず飲んで安心感を得るだけではなく、飲んだことにより、体調がどう変化するのかを確認して、本当に自分に合っていると思うものだけを摂り入れるようにしてみてはいかがでしょう。

またジムでのトレーニングを習慣にされている方に多く見られますが、プロティンも、それをロッカールームで水や牛乳などで溶いてグビグビ飲むことによる満足感だけで摂るのはやめましょう。「これで今日のトレーニングもバッチリ!」という気持は解りますが、プロティンは「肝臓を疲れさせる原因」でお話しした通 り、摂り過ぎている方の中に肝臓にそうとう疲れを溜めている方が見受けられ、それをやめる、または減らしただけでも体調が改善されていく方も多いのです。

ボディビルなどに真剣に取り組んでいらっしゃる方であれば話は別 ですが、趣味や健康の為のトレーニングでしたら、毎日のバランスのよい食事だけでも、体は十分に発達します。食事を整え、自分の体をよく観察しながらトレーニングを続け、それでもいまひとつだと思ったときに少しずつ摂り入れてみてはいかがでしょうか。


2)睡眠に関して

夜型の生活習慣にせず、早寝(遅くとも12時前に)早起きで、睡眠時間はたっぷりと取りましょう。睡眠時間を長く取れば、その分起きている時間が短くなるということで、肝臓は体が活動するためのエネルギー生産から解放されて休めますし、他の作業をすることもできます。

早寝早起きには自律神経のリズムを整え、内臓のアクセル・ブレーキ切り替えをスムーズにする意味もあります。また起きて活動する時間が少なくなれば、活動後に体内に発生する老廃物も少なくてすみますから、その掃除作業にも肝臓はそれほど力を使わずに済むようになるのです。


3)運動に関して

実行することが義務のように感じられたり、プレッシャーになるような、また勝ち負けを争って気持がキリキリしてしまうような種目はできるだけ避け、気持も体もリラックスできるものを選びましょう。そうすることにより、交感神経の過剰な緊張を避け、副交感神経を優位 にして自律神経のバランスを整えることにつながります。

交感神経の緊張は肝臓をはじめとした多くの内臓にブレーキをかけてその働きを抑えてしまいますから、長く続けば、肝臓はブレーキを踏まれたまま無理矢理働くことになり、疲れ果 ててしまうのです。

また、適度な運動で筋肉をよく動かすと、末梢からの血液の戻りがよくなり、その分肝臓への負担を減らすことにもなります。


いかがでしたでしょうか?要は「バランスのよい食事」「適度な運動」「十分な睡眠」ということであり、一般 的に耳にする健康のための心得ばかりですが、整体からの視点によって、その重要度をさらにご理解いただけたかと思います。よって、これらがすべて理想通 りなら健康上のお悩みはほとんど生じないはずなのです。

しかし例えばお仕事柄、食事時間がどうしても遅い時間になったり不規則になったり、また常に夜勤がある方、激しいトレーニングをしなければならないスポーツ選手など、現代生活において、その理想を100%実現することはとても難しく、したがって理想と現実とを、どう折り合わせていくかを考えていかなければなりません。

ここまで、肝臓の疲れが体の歪みにつながり、様々な不調の土台になっていく流れを整体からの視点で見てきたわけですが、では整体でそれをなんとかする手段はないのでしょうか?

実はあるのです。肝臓にとっての理想の生活習慣に足りない分を、整体で補えるからです。

 

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