肝臓疲れはどのように全身に伝わるか?


整体の立場から肝臓と全身の関係を考えた場合、2つの流れによって、肝臓はからだ全体のバランスの要となります。ひとつは「神経」もうひとつは「血流」です。

肝臓を初めとする各内臓は、下図のような神経ネットワーク(主に‘迷走神経’という神経で構成されます)によって、体の各部とつながっています。

この神経ネットワークを通じて、肝臓の疲れや緊張が肩や手足、腰、顔などに伝わり、肩こり・腰痛をはじめとした症状の土台になっていきます。

しかし、いくつもある臓器の中で、なぜ肝臓なのでしょうか?他の臓器が疲れたりすることはないのでしょうか?

もちろん他の臓器も同じように疲れます。そしてその疲れが神経の流れに沿って伝わっていくのですが、その場合でも、例えば胃と肝臓、肺と肝臓、心臓と肝臓というように、肝臓と連動した疲れであることが非常に多いのです。

それには血液の流れが関係しています。下の「血液循環図」をご覧下さい。

心臓から各臓器に送り出されたあとの血液(静脈血)が、再び心臓へ戻っていく流れを表しています。

矢印の流れを追っていただくと分かるように、腹部内の主な臓器からの静脈血は心臓に戻る前に肝臓を通 ります。肝臓で栄養分を貯えたり、老廃物を処理してもらう必要があるからです。

よって、矢印の流れに滞りを起こさないためには、中継点である肝臓がいつも元気であり、血液の流れを止めないことが大切です。肝臓の血流が悪くなると、肝臓以下に位 置する他の臓器もうっ血したままになり、働きが非常に低下するというわけです。

また、肝臓より上に位置する心臓や肺にも血液が戻りにくくなり、やはり疲れがたまります。ひいては腹部から始まった血流の悪さは全身へと拡がっていきます。

体中へ栄養分を送り届け、溜まった老廃物を引き受けて肝臓へ持ち帰る(そして肝臓で老廃物を分解・処理して体外に排出できるようにします)、その血液の流れが滞ってしまったらどうなるでしょうか。

体は疲れを回復させることも、壊れた組織を修復することもできなくなってしまいます。よって、まずは血液循環の中継点とも言える肝臓を元気にして血液の通 りをよくすることが、他の臓器も元気にし、体調回復の要となるのです。

 

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